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進行中2025年4月 〜修士研究

プレイ動画からの模倣学習と操作融合に基づく
ゲーム非依存な初心者向け操作支援

プレイヤーの操作とAIの操作を混ぜ合わせ、AIの割合をなめらかに変えられる操作支援を作っています。ゲームを遊ぶAIは、操作の記録がないふつうのプレイ動画から学ぶため、ゲームの内部データを必要としません。

上手な人のプレイ動画からコンピュータが学び、初心者から上級者までの段階に応じて、操作の補助の強さを変えていく様子を示した図

この研究のポイント

  • プレイヤーの操作とAIの操作を混ぜ合わせ、AIの割合を上達に合わせて下げていく
  • 操作の記録がないふつうのプレイ動画から、ゲームを遊ぶAIを学習する
  • MotoGP 23 での試作で、AIの操作は人の入力と平均84.5%一致した

背景

ゲームを始めたものの、難しくて楽しさを感じる前にやめてしまった経験はありませんか。難しさはゲームから離れる大きな理由のひとつです。

多くのゲームには操作を助けるアシスト機能があります。ただ、その多くは「強・中・弱」のように段階を選ぶ形で、人それぞれの腕前や癖に合わせた細かな調整はできません。上達に合わせて助けを少しずつ減らすことも、難しいのが現状です。

バイクレースゲームのプレイ画面2枚。アシストの強さを「強」にした場合と「中」にした場合
図1アシストの強さを段階で選ぶ例(左: 強、右: 中)。研究の説明のため、MotoGP™23 のプレイ画面を引用1

目的

この研究では、プレイヤーの操作とAIの操作を混ぜ合わせてゲームを動かします。プレイヤーが自分で操作しながら、足りない部分をAIが補う形です。AIの割合は、すべて自分で操作する状態からすべてAIに任せる状態まで、なめらかに変えられます。上達に合わせてAIの割合を少しずつ下げていけば、AIに頼りすぎずに腕前を伸ばせると考えています。

手法

この仕組みには、そのゲームを遊べるAIが必要です。しかしゲームごとにAIを作ろうとすると、操作の記録つきのデータを大量に集めなければならず、現実的ではありません。

そこで、操作の記録がないふつうのプレイ動画も活用して、ゲームを遊ぶAIを学習させます。ゲームの内部データは使わず、画面の映像だけで学ぶため、特定のゲームに限らず使えることを目指しています。

成果

バイクレースゲーム「MotoGP 23」で試作したところ、動画から学んだAIの操作は、人が実際に入力した操作と平均84.5%一致しました。処理にかかる時間は1コマあたり約6.7ミリ秒で、画面が1コマ進む間に十分間に合うため、プレイしながらリアルタイムで動かせます。

一方でハンドル操作の一致率は71.8%にとどまっています。お手本にした操作の推定精度が上限になっているためで、ここが今後の課題です。

今後はハンドル操作の精度を上げ、実際に走らせて評価します。AIの割合を少しずつ下げる仕組みも実装する予定です。そのうえで、AIの助けがある場合とない場合で初心者に遊んでもらい、上達の度合いや、ゲームに集中できているかを調べて、この方法が役に立つかを確かめます。

参考文献

  1. Milestone S.r.l., MotoGP™23 (2023). 画面の著作権は、それぞれの権利者に帰属します。 ↩