プレイ動画からの模倣学習と操作融合に基づく
ゲーム非依存な初心者向け操作支援
プレイヤーの操作とAIの操作を混ぜ合わせ、AIの割合をなめらかに変えられる操作支援を作っています。ゲームを遊ぶAIは、操作の記録がないふつうのプレイ動画から学ぶため、ゲームの内部データを必要としません。

この研究のポイント
- プレイヤーの操作とAIの操作を混ぜ合わせ、AIの割合を上達に合わせて下げていく
- 操作の記録がないふつうのプレイ動画から、ゲームを遊ぶAIを学習する
- MotoGP 23 での試作で、AIの操作は人の入力と平均84.5%一致した
背景
ゲームを始めたものの、難しくて楽しさを感じる前にやめてしまった経験はありませんか。難しさはゲームから離れる大きな理由のひとつです。
多くのゲームには操作を助けるアシスト機能があります。ただ、その多くは「強・中・弱」のように段階を選ぶ形で、人それぞれの腕前や癖に合わせた細かな調整はできません。上達に合わせて助けを少しずつ減らすことも、難しいのが現状です。

目的
この研究では、プレイヤーの操作とAIの操作を混ぜ合わせてゲームを動かします。プレイヤーが自分で操作しながら、足りない部分をAIが補う形です。AIの割合は、すべて自分で操作する状態からすべてAIに任せる状態まで、なめらかに変えられます。上達に合わせてAIの割合を少しずつ下げていけば、AIに頼りすぎずに腕前を伸ばせると考えています。
手法
この仕組みには、そのゲームを遊べるAIが必要です。しかしゲームごとにAIを作ろうとすると、操作の記録つきのデータを大量に集めなければならず、現実的ではありません。
そこで、操作の記録がないふつうのプレイ動画も活用して、ゲームを遊ぶAIを学習させます。ゲームの内部データは使わず、画面の映像だけで学ぶため、特定のゲームに限らず使えることを目指しています。
成果
バイクレースゲーム「MotoGP 23」で試作したところ、動画から学んだAIの操作は、人が実際に入力した操作と平均84.5%一致しました。処理にかかる時間は1コマあたり約6.7ミリ秒で、画面が1コマ進む間に十分間に合うため、プレイしながらリアルタイムで動かせます。
一方でハンドル操作の一致率は71.8%にとどまっています。お手本にした操作の推定精度が上限になっているためで、ここが今後の課題です。
今後はハンドル操作の精度を上げ、実際に走らせて評価します。AIの割合を少しずつ下げる仕組みも実装する予定です。そのうえで、AIの助けがある場合とない場合で初心者に遊んでもらい、上達の度合いや、ゲームに集中できているかを調べて、この方法が役に立つかを確かめます。
参考文献
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Milestone S.r.l., MotoGP™23 (2023). 画面の著作権は、それぞれの権利者に帰属します。 ↩