フィードバックには4つのレベルが存在しています。[1] 今回は、先日大学院で行われた中間発表で私が頂いたコメントを、この4つのレベルに分類してみようと思います。
今回は、Hattieらの研究[1]を元にコメントを分類したいと思います。
論文内でフィードバックは、「現在の状況と目標とのギャップを減らすためにエージェントから提供される情報」と定義され、効果的なフィードバックは、
の3つのうちどれか1つ以上の質問に答えを与えるものとされています。
さらに、フィードバックには次の4つのレベルが存在するとしています。
今回のブログでは、この4つのレベルに対して、私が中間発表でいただいたコメントを当てはめていきたいと思います。
まずはそれぞれのレベルについて、簡単に説明します。
行なった作業の結果に対して与えられるフィードバックです。
例:毎日の筋トレの結果-5キロで、ダイエット目標クリアです!
作業の戦略に対して与えられるフィードバックです。
例:糖質制限ではなく脂質制限を行なったのが効果的だったようです。
メタ認知を促したり、自信をつけさせるためのフィードバックです。
例:体重以外に見た目には変化が現れていますよ。鏡をチェックしてください。
人格等の個人の性質に対して与えられるフィードバックで、効果は無いとされています。
例:素晴らしいですね、ダイエットの才能があります。
研究内容と発表自体に対するコメントの2種類があったので、今回は「研究の目標を達成すること」と「研究内容をわかりやすく伝えること」の2点のうちどちらかを目標としたフィードバックとしてコメントを捉えています。2点はそれぞれ末尾に(研究)(発表)と記載して区別しています。
このレベルのフィードバックはありませんでした。もしあるとしたら、聴きやすい声ですね・頭が良いですね、などでしょうか?
自己レベルのフィードバックは効果が弱いとされる以外にも、タスクレベルのフィードバックは、タスクが切り替わった際に効果がなくなってしまう場合が多いとされています。
もしみなさんがフィードバックを与える側の立場に立った時は、これらの分類を意識してみると、フィードバックの効果も変わってくるはずです。
参考文献:
[1]Hattie, H. Timperley (2007) "The power of feedback.” Review of Educational Research,77 , 81-112.