これだけでなんとかなるデザインルール

column M2

これは私が部活に入部したときのビラです。

ぱっと見て、乱雑な印象を受けませんか? 「少林寺拳法部」という情報は目に入りますが、その時点で興味を抱かなかった人には何も引っかからないかもしれません。

今回はこのビラを元に、これだけ守ればなんとかなるデザインのルールを書いていこうと思います。

伝える内容を整理する

まずはそのデザインを通じて自分が何を伝えたいのか、項目を整理します。

簡単に整理するコツは、

  • 誰に伝えるか
  • 何を伝えるか
    • いつ
    • 誰が
    • どこで
    • 何をする
  • なぜ伝えるか

でまとめることです。

今回の場合は、

  • 誰に:部活を知らない新入生に
  • 何を:活動内容+部活の良さ+体験会のお知らせ
  • なぜ:まずは練習会に来て欲しい

と整理されます。

ビラに書く情報はこのくらいでも収まりそうです。

これだけでも少し違って見えます。

要素を整列させる

余白を決める

次に、要素をどう配置していくか決めます。

まずは余白を設定します。幅は直感で決めて問題ありません。ただし、設定した余白には何も書き込まないでください。

先程までのビラに余白を設定し、余白からはみ出ないように端を揃えてみました。最初と比べるスッキリしたように感じます。

グリッドでさらに整列

余白が決まったら、次はグリッドを引きます。

グリッドとは格子状のガイドです。このように設定してみます。幅は全て等しければどれだけでも大丈夫です。

大きなマスが8つできました。このマスを埋めるように要素を移動させます。

かなりスッキリしたビラになってきました。グリッド一つに要素一つではなく、このように複数のグリッドにまたがって配置しても問題ありません。

情報をわかりやすく

似ている情報は近くに

ビラの中の情報をまとめていきます。

最初に書き出した伝えたい情報を元に、同じ項目に当てはまる情報をまとめていきます。

年間の行事予定・練習日・活動場所は活動内容に関する内容なので近い場所に、練習会のお知らせ・連絡先も練習会に関する内容なので近い場所に配置してみました。

情報を得やすいビラになってきたのではないでしょうか。

情報に強弱をつける

情報をまとめることができたら、最後に情報に強弱をつけていきます。

まずは全ての文字を同じ大きさ・フォントに設定しフラットな状態を作り、そこから重要な情報は大きく、そうでないものは小さくします。

フォントの大きさは差をつけすぎかな?と感じるくらい差をつけてちょうどよくなることが多いです。

この時に、特に目立たせたい情報がある場合には、グリッドの整列からわざと外すことで情報を引き立たせることができます。多くの要素をグリッドから外してしまうとバラバラに見えてしまうので、1つか2つが限度です。

今回のビラでは、タイトルの少林寺拳法をグリッドから外し目立たせ、その他のテキストについてはサイズが40, 24, 16, 12, 10となるように差をつけてみました。

今回は伝える目的(伝える内容を整理する>なぜ伝えるか)が、まずは練習会に来てもらうことでしたが、練習会の告知がパッと目に入るビラになったのではないでしょうか?

おわりに

元のビラと今回手順を踏んで仕上がったビラとを比較してみましょう。

わかりやすく、みた人に情報を残しやすいビラになっていませんか?

ほんの少しでもデザインの知識があるだけで、成果物の印象がここまで変わる、ということを感じてもらえたら嬉しいです。

参考文献:

  • 坂本伸二(2015)『デザイン入門教室[特別講義]:確かな力を身につけられる-学び、考え、作る授業』SBクリエイティブ株式会社
  • 筒井美希(2015)『なるほどデザイン』株式会社エムディエヌコーポレーション

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