感情を読むAI

column B4

こんにちは、B4の林です。皆さんは、無意識に相手の感情を読み取りながら会話をしていると思います。
会話している最中に、「〇〇さんはいいことがあったのかな?」や「〇〇さんは機嫌が悪そうだ」など考えたことが一度でもあるでしょう。
この感情の読み取りをAIが行うという技術が最近発展してきています。そこで今回は、私が関心を寄せている感情分析AIについて紹介します。

感情の分類

そもそも感情とはどのように分けられるのでしょうか?

分類方法はさまざまあります。その中でも図と色を用いて分類している、心理学者ロバート・プルチック氏が提唱している「プルチックの感情の輪」について紹介します。


プルチックの感情の輪ではまず、8つの花びらはそれぞれ 8つの感情 を表しています。その8つの感情とは、 怒り、恐れ、期待、驚き、喜び、悲しみ、信頼、嫌悪 です。例えば喜びと信頼が合わさった感情は であったり、怒りと嫌悪が合わさった感情は 軽蔑 であったりという風に図から読み取ることができます。


感情分析AIとは

AIによる感情分析とは、AIが人間の感情、気持ちの状態や変化を読み取ることを指します。
https://www.hitachi-solutions-create.co.jp/column/technology/sentiment-analysis.html より引用


人間が他者の気持ちを汲み取り適切なコミュニケーションを取る能力は、EQ(Emotional Intelligence Quotient)と呼ばれ、日本語で「心の知能指数」と呼ばれることもあります。EQは経験と結びつく能力であるため人によって差があります。その差を小さくするために、AIを用いて感情を読み取るのです。

AIが人間の感情を分析することで、今皆さんが活用しているであろう「Siri」や「Alexa」との会話もより自然なものになります。現在は、1つの問いかけに対して1つの答えしか返ってくることはありませんが、声色を読み取ることで、「嬉しそうですが何があったのですか?」と質問し会話を広げることも可能になるでしょう。

この技術が実現したならば、ロボットに応用することでロボット自身に感情を持たせることができたり、声色だけでなく顔の表情も読み取ることで接客業の一部単純作業に代替できたりすると思われます。(ネガティブな感情をロボットに持たれても困るような気もしますが...)

AIが感情を分析することで、 会話相手の人間に寄り添って会話を行うことができる というのが1つの目標なのです。


感情分析AIの種類

分析の仕方には主に以下の3つがあります。

  • 表情
  • 声色
  • 文脈

まず表情による分析では、AIによる画像認識を使用することで、表情を分析し感情を推定することができます。表情で感情を読み取ることは、普段私たちもやっていることです。例えば眉間にシワが寄っていたら怒っているまたは嫌だという感情だと読み取れたり、口角が上がっていたり歯が見えていたりしたら喜んでいるや嬉しいという感情であったりと読み取っているでしょう。

声色による分析では、感情に起因する声の抑揚や大きさなどの変化を読み取ることで感情を推定します。私たちも普段、例えば相手の声が震えていたら恐れを感じていたり、大きい声であれば怒っているのかただ元気なのかと感じたりしているだろう。

文脈による分析では、日々のチャットによる会話を蓄積しておくことにより学習を行い、感情を推定できるようになります。SNSで言葉の受け取り方で問題になるように文脈だけで感情を推定するやり方はかなり困難だと、私は思います。そのため、文脈による分析に関しては課題を感じます。

以下に感情分析をAIで実現している例を紹介します。

感情分析AIの例:


まとめ

今回は、感情を分析するAIについてまとめました。感情を分析するAIが発展し、会話相手にAIが入っているような将来を見たいと思っております。そのための研究の発展を願っています。

拙い文章でしたが、最後まで読んでくださりありがとうございます。今回調べた内容が卒業研究に生きてくればと思います。

参考文献

文責: 橋山研究室 林慎己

Previous Post Next Post